2020年5月1日金曜日

コロナにまつわる色々。ケニア

<航空貨物運賃の高騰で、ケニアの花の輸送厳しく>

大取引先のヨーロッパ諸国で新型コロナウイルスによるロックダウンが続き、ケニアの花き産業は大きな打撃を受けている。KFC(ケニア花き協会)によると、世界的に回復の兆しが見えてきて注文が少しずつ増えてきたのに、注文増加に対応できる航空貨物のスペースが足りない状況となっている。感染蔓延前の航空貨物の受け付け可能量は、5000トン/週。現在は野菜、切り花、魚など、生鮮貨物全体で1300トン/週しかなく、現在の輸出需要3500トン/週には足りない。

3月中旬にケニア産の花の注文が激減し、輸出を停止。キャンセルされた多くの輸送業者は、花に代わる貨物を探した。旅客機も運航停止中のため、その貨物スペースも使えない。現在、貨物専用機への需要は、供給よりも多い状況となっている。
このような状況で、航空各社は運賃を大幅に値上げしている。現在、ナイロビから主要取引地までの航空貨物運賃は今までの2倍以上となっており、輸出業者はこの法外な運賃を支払えない。

KFCは、花き生産者が切り花を輸出出来るような緊急支援策が必要だ、と言及した。「輸送コストを皆で共有するモデルを作れれば、輸出業者の負担を軽くできるだろう。そうやって皆でこの状況を乗り切りれば、暮らしを守ることが出来る。」

ケニアの切り花産業は約15万人の雇用を生み出しており、労働者の大半は女性である。年間約11億5千万ドルの花き商品を輸出している。
4月22日Bloemisterij

<ケニアの切り花輸送、危機的状況>
ケニアでは、通常なら45~50機の貨物専用機がケニア産の切り花を世界中に運ぶのだが、現在は僅か12機だけである。また、旅客機の運航停止も続いている為、客席下の貨物スペースを使って花を運ぶことも出来ない状況だ。
貨物のスペースが限られた状況で、ケニアでは1㎏あたりの航空貨物運賃が急騰している。

全ては3月13日に始まった。「この日、RFHでは供給過多でクロックでの花の価格が急落した。16日になると、多くのケニアの切り花生産者は、主に仲卸業者向けのバラ輸出をストップした。小売店向けの注文はまだ大丈夫な状況だった。」と、K+N社の生鮮貨物担当O氏。

ケニアからの航空貨物の3分の2は切り花なのに、それがほぼ全て無くなってしまった。航空各社は他の貨物を探し始め、医療用品などの輸送に切り替えた。また、ロックダウンが続いていたため航空貨物が滞っていた中国にも向かった。

航空各社は、東アフリカ、ケニアから貨物を運ぶ航空機を引き払ってしまった。その直後に旅客機も飛ばなくなり、さらに追い打ちをかけた。

貨物専用機は1機で100トン、旅客機は20~25トンの貨物輸送が可能である。旅客機での貨物輸送は、ケニアの航空貨物量全体の約30%を担っている。
4月29日Bloemisterij


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生活必需品として見なされなかった花店やガーデンセンターの営業再開が、ヨーロッパの多くの国で認められるようになりました。
これで少しずつ花の売れ行きも元に戻るんだ、、とホッとしたところに、貨物スペースが足りなくてケニア産の花の輸出が出来ない、というニュース。自分の都合で振った彼(女)を、状況が変わったからよりを戻したい、と急に言われても困るがな、、だよねぇ(例えが違うかも知れないけど汗)。
生産コストの安いところに生産地を移して、上手く回っていたと思っていたけれど、非常時には機能しないのが分かってしまいました。オランダで1本20セントで買えた小輪40㎝のバラは、運賃が2倍になったらいくらになるのか。アフリカ大陸に花の消費地があれば、まだ少しはどうにかなったかもしれませんが、生産・輸送コストと販売コストが合わないバラは、ケニアから出荷できる日まで時間がかかりそうです。

そういえば、今日のオランダ産赤バラは、卸で60㎝1ユーロ超えでした。
母の日と言えば日本ではカーネーションですが、ヨーロッパではバラが人気。東アフリカからのバラが希望量通り入荷しない状況が続けば、オランダの数少ないバラの生産者にとっては、今はチャンスかもしれません。

新型コロナウイルスの感染者の増加が減少傾向とはいっても、油断はできない状況は変わりません。それでも様々な店が開き、買い物もできるようになるのは、心理的には大きな変化です。
少し規制が緩んだ状況でしばらく暮らし、また次の規制緩和の段階に進めますように。。。
4年前に行ったオランダ北部の花屋さん

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